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主要中銀の金購入意欲は旺盛

出所:WGC

主要国中央銀行の5月の金保有増減 単位:トン

カザフスタン +7 2025年 +15

トルコ +6    2025年 +15

ポーランド +6  2025年 +67

中国 +2

チェコ +2

シンガポール通貨庁 -5  2025年 -10

ウズベキスタン -1 2025年 -27

ドイツ -1

ウクライナの隣国であるポーランドは通年で67トン金を購入している。トルコ、カザフスタン、ポーランドなどは地政学リスクの高い地域であり、金の買い入れを進めている。

金から、白金へ代替え買い

プラチナの投資需要が価格上昇を支えてまする。金価格が1オンス3,450ドルを下回る抵抗線付近で停滞する中、投機家や投資家は代替資産としてプラチナに目を向けています。特に、プラチナと金の比率が金の割高感が際立っており、同じ価格でプラチナを金の約3倍の量を購入できるからだ。先物市場では、5月初旬以降、プラチナ先物の建玉は金の2%に対して34%増加している。同様に、プラチナETFの保有量は1.17%増加し、322万オンスとなった。一方、世界の金ETFの保有量は同時期にわずか0.5%未満の増加にとどまっている。これは、プラチナが相対的に注目を集めていることを示唆しており、主に価格変動によるものですが、代替え取引が活発化している可能性があります。6月に入ってからプラチナ価格は20%以上上昇し、先週は2021年の高値である1オンスあたり1,339.70ドルを上回り、10年以上ぶりの高値を記録し、18年ぶりの大相場となりそうです。

トルコCPIは鈍化

トルコ統計局が今週発表した5月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比35.4%の上昇となり、前月の37.9%上昇から鈍化した。トルコ中央銀行は4/17に政策金利を3.5%引き上げ、46.0%としました。3月の政治リスクの高まりで金融市場安定化を目指しました。今月の中銀の政策金利発表は、CPIが落ち着いてることから、利下げ再開に転じる可能性もありそうです。

対ドル、対円でのリラ相場の反転上昇には時間がかかりそうです。介入資金である外貨準備が大幅に減少していることや、規模が小さいことから介入には限界がありそうです。

新興国通貨

トルコ中銀の外貨準備は4月25日時点515.8億ドルで急落前(3月14日970億ドル)から46.9%も大幅減少。為替介入の原資となる外貨準備の急減は先行きのトルコリラの不安材料となりそうです。トルコ国債のディフォルト確率は18.72%となっています。トルコ円は15年前30円台、コロナ時代に10円割れて2年前に5円割れとなりました、足元3.70円前後で半値八掛け2割引き以下ですが、なかなか底が見えないようです。

金は、安全資産として旺盛な買いが続く

世界金ETF需要は、3年連続マイナスが続いたが、昨年後半から回復してきた。2025年第1四半期は、推計で226トン(1月34トン、2月100トン、3月92トン)の資金流入があった。中央銀行の金購入は3年連続で1000トンを超えているが、今年度も1000トン規模になるのではないか。米中関税摩擦から、憶測ではあるが中国中央銀行が米国債を売って、金へのシフトを進めている。世界的な株安や米国景気減速懸念など不透明感を受けてETF需要も好調だ。週明けGSやUBSなど投資銀行も金の価格見通しを相次いで上方修正。GSは、年末NY金価格を3300から3700ドルと上方修正している。

米雇用統計は予想を下回る結果、ドル安に

昨晩21:30の米雇用統計では、NFPが17.5万人増と予想24万人増を下回り、平均時給も34.75ドルと伸びが鈍化した。これを受けて9月の米利下げ期待が急上昇、ドル安円高の動きとなり、一時151円台まで値を沈めた。年内の利下げ回数も9月と12月の2回に高まった。日銀の介入で相場が崩れたところに追い打ちとなり、目先ドル円も軟調な展開が予想される。

日銀マイナス金利を解除、17年ぶりの利上げ

本日の日銀金融政策決定会合では、マイナス金利が解除され、17年ぶりの利上げとなった。同時にYCCの撤廃やETF、JREITの買い入れを終了とした。これを受けてドル円は149台後半まで一気に値を飛ばした。15:30からの植田日銀総裁の記者会見に注目が集まるが、連続利上げはなさそうか。

米CPIは前年比+3.2%と予想を上回る。

昨晩発表された米消費者物価指数は、前年比+3.2%増と予想3.1%を上回った。強めのCPI を受けてドル円は148円台を乗せる場面もあったが、長続きはせず、147円台へ押し戻された。中身的に変動の激しいガソリン価格や遅行の住居費の上昇の影響が大きく、弱気ととらえる見方もあった。米利下げに関しては今のところ早まる気配はなく、6月以降との見方が大勢を占めている。

強くない米雇用を受けてNY金は高値更新

週末米労働省から発表された2月の米雇用統計は、NFP27.5万人増と予想を上回った。ただ前月は35.2万→22.9万人増、前々月33.3万→29万人増と大幅下向き改定。2月の失業率は、前月比+0.2%の3.9%と悪化。平均時給は34.57ドルと伸び悩んだ。前月と前々月数字が大幅下方修正され、NFP がよかったものの実際は弱い内容であった。弱気の米雇用統計を受けてNY金4月限は一時2203ドルまで上昇。米労働市場の減速から、米利下げ観測がそろそろ高まるかな。そしてNY金の上昇は続きそうだ。

メキシコCPI+4.4%に鈍化

昨晩発表された2月のメキシコ消費者物価指数は前年比+4.4%と前月の4.88%から鈍化した。政府のインフレターゲット目標2-4%にやや近づいたといえる。メキシコ中央銀行も今後数回の会合で利下げを検討することになりそうだ。メキシコ円も8.80円前後で高止まりが続いているが、日銀利上げ観測の高まりなどでやや調整が入りそうか。